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ソーシャルビジネス推進イニシアティブ委員からのメッセージ
ソーシャルビジネス推進イニシアティブ委員の方々から寄せられたメッセージをご紹介します。
宮城 治男氏
特定非営利活動法人ETIC.代表理事
生きること、働くことを問い直す
自らの生き方、働き方を問い直し、地域へ行きたい、ソーシャルビジネスに携わりたいという若者たちの相談が今年に入って目立って増えています。底なし不況ともいわれますが、この時期に「ソーシャルビジネス」が生み出されることで、人が動きだし、地域がぐっと楽しく、ゆたかな生きがいを創造してゆく契機となるのではと、私はむしろ大きなチャンスの到来を感じています。
私は若い世代のリーダー育成、起業支援を中心に活動してきましたが、2001年以降、「社会起業家」をテーマにした人材育成に注力してきました。ETIC.の活動がスタートした90年代半ばでは、若者たちにとって「起業」自体縁遠いことで、「社会をよくする仕事」を自ら創り出すなど、誰も自分がやること、という当事者意識は持っていませんでした。しかし今では、毎年100~200組の若者たちがETIC.の社会起業のプランコンペや助成プログラムなどにエントリーしてきますし、ETIC.のイベント等に参加している若者の9割以上が社会起業に関心があると答えています。これまで起業、ベンチャーというと一攫千金の無頼漢のようなイメージもありましたが、かつてなら大手企業や公官庁などで活躍していたような人や、研究者、アーティストになっていたと思われるような、幅広い層の若者たちも巻き込んで関心は広がりつつあります。
また特に、私どもが5年前より取り組んできた、地域での次世代人材育成と産業支援等に挑む「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト(チャレコミ)」の周りにおけるソーシャルビジネスへの関心は動きは日増しに大きくなっています。3年で100名を超える若者がUIターンした隠岐の海士町や上勝町への人気に象徴されるように、農山漁村などでの仕事にむしろ魅力を感じ、またその活性化に貢献するために東京から若者が移り住んで自ら仕事をつくっていくというような動きが活発になっています。若者たちだけでなく、地域の二代目、三代目経営者なども従来の家業を変革し、事業を通じて環境、食、教育、地域活性などのテーマで、ソーシャルビジネスに取り組みはじめています。
一方で、これまでも誇り高く仕事をしてこられた地域の中小企業経営者の間で、「ソーシャルビジネス」という言葉は必ずしも評判がよいわけではありません。そもそも商売とは社会的なもので、本来社会性がなければ成り立たず、あえてソーシャルを冠することに違和感がある、と。確かに、日本は世界一長寿会社が多い国といわれ、小さいながらも人や伝統を大切にし、地域資源を活用して、なくてはならない存在として100年、200年と続いている会社に出会います。「ソーシャルビジネス」の本質は、働くことと、人生の価値観や美意識を重ねて大切にして続いてきた日本人が持つ原点の姿が教えてくれる、シンプルなことかもしれません。身の丈以上の利益を求めるより、地域・社会のお役に立ち、必要とされる。そして経済的にも長く続く「厭きない(商い)」仕組みを創り出す「社会性」と「事業性」が融合した仕事のスタイルが、若者たちから支持をされ始めています。
特に昨年来の不況も後押しし、積極的に自らの生き方、働き方を問い直し、地域へ行きたい、ソーシャルビジネスに携わりたいという若者たちの相談が今年に入って目立って増えています。底なし不況ともいわれますが、この時期に「ソーシャルビジネス」が生み出されることで、人が動きだし、地域がぐっと楽しく、ゆたかな生きがいを創造してゆく契機となるのではと、私はむしろ大きなチャンスの到来を感じています。

宮城 治男氏
特定非営利活動法人ETIC.代表理事
1972年、徳島県出身。93年、学生起業家支援の全国ネットワークとして「ETIC.」を創設。以来、若い世代が自ら社会に働きかけ、仕事を創り出す「起業家型リーダー」の育成に取り組み、180名を超える起業家を輩出。96年より中小・ベンチャー企業やNPOなどに学生が参画する「長期実践型インターンシッププログラム」を事業化、のべ350社に2200人の学生が参画。01年には「ETIC.ソーシャル・ベンチャーセンター」を設立、「社会起業家」の育成のための支援をスタート。以降日本初のソーシャルベンチャーのビジネスプランコンテスト「STYLE」、「NEC社会起業塾」「NPOイノベーショングラント」等を手がける。さらに04年からは、経済産業省とともに地域における人材育成・産業活性化を支援する「チャレンジ・コミュニティ・プロジェクト」をスタート。全国30地域で活動がスタートしている。その他、各省庁や大学、自治体等と連携し、リーダー育成のプログラムのテーマや地域を超えた展開に注力する。

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